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数奇なるチェコスロバキア

「英国王給仕人に乾杯!」を観た。

駅のソーセージ売りから身を起こした主人公ジーチェ(チビの意)が百万長者になることを志し、ホテルの給仕人になる。
ホテルで出会う百万長者たちの楽しみの数々。
彼は述懐する。
「私の幸運は、いつも不運とドンデン返しだった。」
娼婦の体に花をまき散らす《花の女体盛り》
高級娼館の給仕人になった時は女給仕長の体にチップを貯めた札ビラで女体盛り。
なにやら幸運な事件があるたびに職場は変わる。
プラハ最高の“ホテル・パリ”
百万長者たちが高級娼婦を招いて豪勢な料理を楽しむ宴。
裸体を観賞しつつ食欲を満たすのである。
宴果てたあとで、娼婦がジーチェを誘う。
贅を尽くした料理で女体盛り。
やがてドイツがチェコスロバキアを併合する時代に至り、ドイツ女と結婚したジーチェはいわゆる対独協力者として生きていく。
やがて戦争は終わり一攫千金を遂げたジーチェはホテルのオーナーになる。

好事魔多し。
共産主義国家となったチェコスロバキア。
あらゆる財産は人民のもの。
資産家は再教育監獄で赤化教育を受ける。
15年後、出所したジーチェは過去をふりかえる…。


ドイツ・オーストリア帝国から独立したチェコスロバキア共和国は、ズデーテン地方にドイツ人が暮らしていることを理由にヒトラー政権下のドイツに併合された。
かつてドイツ人が暮らしていた村はドイツ敗戦とともに廃村となった。
ヨーロッパ史はくわしくないが、国家の線引きがあいまいだった時代は民族の移動は未開の土地では流動的であったとみえる。
国々の境を越えていたのはジプシーとユダヤ人に限らないのは、むしろ自然であろう。
かの「ほらふき男爵」の物語でトルコ人に攻められた都市はルーマニア付近にあるドイツ人の都市だったし。
近代は他民族の暮らす土地を国家の名において区切って、民族の多様性を国家の色に染め上げたのであろう。
ことに共産主義国家においては。
1989年、チェコスロバキアに民主政権が成立。
1993年にはチェコ共和国とスロヴァキア共和国に分離。
原作者のボフミル・フラバルは原作を書いたのは1971年。
共産党政権下のチェコでの出版がゆるされず、外國で出版された。
にもかかわらず明るく“えっち”なお話なのである。
大金持ちになりたいというありふれた欲望を持った主人公が見た金持ちたちの淫奔な楽しみ。
陰惨なものではなく、なんともユーモラスな“えっち”シーンにむしろ笑ってしまった。
なにかというと女体盛りをするしね。
人間の欲はつきつめれば“大金持ちになりたい”“美味いものを食う”“いい女とえっちしたい”あたりまえのことだと云うお話。
共産党政権下でもこんなにユーモアに満ちた寓話を作ることのできる人間の精神の不思議に驚嘆した。
監督のイジー・メンチェルは同じ原作者で何本も映画を撮っているそうなので、他の作品も観たくなった。
オモチロイよ!
機会があったら是非ともごらんあれ。
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